帝国劇場の歴史を振り返る展覧会「帝国劇場展〜ザ ワールド オブ インペリアル シアター(THE WORLD OF IMPERIAL THEATRE)〜」が、東京の銀座三越にて、2025年3月28日(金)から4月27日(日)まで開催される。
帝国劇場は、東京・丸の内に位置する日本演劇界の殿堂。1911年、日本初の洋式劇場として開館して以来、これまで『風と共に去りぬ』や『マリー・アントワネット』、『レ・ミゼラブル』、『千と千尋の神隠し』といった数々の演目を上演し、多くの舞台人やファンを魅了してきた。
「帝国劇場展〜ザ ワールド オブ インペリアル シアター〜」は、2025年2月に休館し、建て替えリニューアルする帝国劇場への想いを、未来につなぐ展覧会。会場内では、帝国劇場にまつわる資料や舞台衣裳などを一堂に集めるほか、貴賓室や座長の「5-1楽屋」の再現展示も行う。
本展では、帝国劇場の歴史を、資料の数々とパネルを通して紹介。一代目帝国劇場の屋上に設置された「翁の面」の飾りや、1911年の開場式後の公演『頼朝』・『伊賀越道中双六』・『羽衣』のプログラム、画家の安西啓明が一代目帝国劇場を描いた《帝国劇場晩秋》など、貴重な資料が一堂に会する。
また、帝国劇場と三越の繋がりにも着目。1911年に帝国劇場が開館するに際して、三越は、室内装飾から調度品、舞台衣装、小物まで、さまざまな品々を調整した。また、初演にあわせて「帝劇を見ずして芝居を談ずるなかれ。三越を訪わずして流行を語るなかれ」という広告を出し、これはのちに「今日は帝劇 明日は三越」というコピーを生むことになった。会場では、プログラムや三越の広告を通して、当時の空気を伝えている。
また、帝国劇場において上演された演目で、実際に着用された衣裳も公開。たとえば、現在の帝国劇場の礎へと繋がる作品、『風とと共に去りぬ』のヒロイン・スカーレットの白いドレスや、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』でイライザが見に纏う衣裳を展示している。
そのほか、ミュージカル『エリザベート』や『モーツァルト!』、『マリー・アントワネット』、オール日本人クリエイターによって制作された『ローマの休日』などの衣裳も目にすることができる。
また、帝国劇場で実際に使用されていた品々の展示も。会場のエントランスでは、“タイムカード”としての役割を果たす、キャストの着到板を設置。帝国劇場最終公演日のキャストの着到板の実物を目にすることができる。さらに、公演の際にはオーケストラピットが設置されるため、観覧席として使用される機会が少なかった1階XA列の座席も設置。フォトスポットとしても楽しむことができる。