ガラアーベント(GalaabenD)が2012年春夏コレクションを発表した。テーマは、1912年に創刊されて以来、パリモード界で最も影響力のあった高級ファッション誌「GAZETTE DU BON TON(ガゼット・デュ・ボン・トン)」。創刊当時はアールヌーヴォーからアール・デコへの転換期で、女性が身体を締め付けていたコルセットからの解放され、優しく身体を包み込む様なシルエットのものが多く登場した。その人工的な身体美から自然な身体美への変化をメンズウェアで表現した。"上品で美しい雑誌"を意味する「GAZETTE DU BON TON」に載るに相応しいエレガントで落ち着いた雰囲気を醸し出している。
オフホワイトやベージュ、ネイビー、アイボリー、そして黒などのシックな色合いをカラーパレットに、金や銀の光り輝くボタンやオレンジ、レッドなどのポップなカラーで遊び心をプラスした。美しいドレープのワンピース風コートは、ボリューミーな襟元のリボンが印象的。そこにスリムなパンツとを合わせることでバランスをとり、ナチュラルなスタイルを完成している。トレンディなレザーとソフトな肌触りのジャージー、異素材を組み合わせたジャケットはモード界をリードするスタイリッシュな男性像を表現した。プリントには、「GAZETTE DU BON TON」の挿絵をイメージしたデザインやペーズリー柄を用いて、ゴージャスな雰囲気も醸し出す。
スリムなシルエットでスタイリングすることで人間の持つ自然なラインを表現した今季は、ジョーゼットやシープスキン、ジャージーなど動きやすく身体に良く馴染む素材を使うこだわりも見せている。リュスクとカジュアルという相反するエッセンスを混ぜ合わせ、20世紀初期のエレガンスを現代風に蘇らせたコレクション。