バルムング(BALMUNG)は、インスタレーション形式で2017年春夏コレクションを2016年10月23日(日)に発表。東京・渋谷で披露された今季は「公園はぼくらのファンタジー」と名付けられている。
デザイナーHachiと古くからの友人であるLy。ブラックとホワイト、このベーシックな2色を用いて、一度見たら忘れられないシュールな作品を生み出しているアーティストであり、最近は「GRAY PARK」という作品を製作した。今季はLyとコラボレーションし、「PARK」というキーワードをLyの作品世界から借りてくる形で、「公園」という対象を隠喩的に表現して洋服に落とし込んでいる。
デザイナーのHachiは、このキーワード「公園」を都市だったりカルチャーだったりを意味していると話す。「"戦う"ということと表現することはとても近いと思っていて、表現する場所としての都市迷彩、戦う場所としての都市、そういう意味をもって公園とそれを呼んでいます。」と語る。
キーカラーは、黒でも白でもない混濁した色彩‟灰色”。迷彩柄のアイテムや、迷彩色とグラフティを意識した総柄のウェアが登場している。シワ加工のようなプリント、胸元に大きく空いた穴、ボトムスのサイドを走るラインディテール。細かな部分に投じられた個性が、互いに響き合いファンタジックな世界観へと繋げていく。
シルエットは、変わらずビックボリュームで、オーバーサイズのトップスや身体を包み込むようなビッグパーカーなどが展開されている。灰色迷彩によるブルゾンやショーツ、また重ねられたレースとミックスさせたショーツやスカートは、中でも印象的だ。‟ストリートスタイル”の象徴である、オールスタータイプのスニーカーは、今シーズンもHiroki Kataokaとのコラボレーションによるもの。
また、今季らしい点として攻撃的な一面も挙げられる。膝を覆うギブスのようなプロテクターや、ハイネックトップスのアームラインを締め付けるベルト。そういった強いエッセンスは、『自分たちの「公園=遊び場」は自分たちで守らなきゃいけない。』というデザイナーHachiの想像力から生まれている。