ENSOR CIVET(アンソール) が2012年春夏コレクションを発表した。女性がスカートからズボン姿になった1940年代にインスピレーションを受けた今季のテーマは「リベットケリーと呼ばれた女性たち」。
かつてドレス姿で勤労奉仕という名のお茶会へ出かけた女性たちがワークウェアに身を包み、工場へと出かけていく姿をイメージした。そこにドレッシーなデザインをカジュアルダウンしたものをプラスし、アンソール独自のスタイリングで固めていった。
カラーパレットはネイビー、ホワイト、ベージュそこにオレンジのタイツや今回豊富になったというアクセサリーを使用した。コレクションでは、オーバーオール、カバーオールなどとワークウェアを連想させるデニムスタイルが目立った。また、リメイクデニムのロングスカートやオーバーサイズのデニムジャケットも登場。
デニムジャケットを中に入れた、白いロングコートはとても軽く、後ろから見るとジャケットとロングコートを重ねたように見えるようなデザインになっている。そこに40年代を思わせるハイウエスト気味にスカートをベルトで締め、オレンジのタイツを入れた。従順でありながら芯の強いイメージを。
また、花柄のテキスタイルも印象的。インディゴ染めを抜染プリントしたショートパンツや、立体感のあるジャカードニットが登場。花柄のショートパンツにはデニムジャケットを合わせ、足元にはワークブーツを入れた。仕事着ではありながら、決して女らしさも忘れないそんな女性ならではの想いが込められたスタイルだ。
花柄ニットは、メインのネイビーの糸とシルバーの糸とに素材の違いを持たせることで、表面に凹凸が生まれ不思議な作りとなっている。コルセットドレスは、ウエストラインを程よく強調し、細かく入れられたアコーディオンプリーツの山にストライプが入っている。女性らしさと可愛らしさを混在させた。
仕事への真剣さを深めるにつれ、女性達は自分の人生を本当のものとして謳歌することを知り、真のエレガンスが立ち現れていく。平坦ではない過酷な時代を生き抜く女性の、繊細な中にある男らしさと強さを表現したコレクションとなった。