日本人デザイナー本郷いづみによるブランドVAN HONGO(ヴァン ホンゴー)の2012年春夏コレクション。「親しい人たちの昼食会」をテーマに、古典的テーブルコーディネートからインスパイアされたエプロンやナプキンなどのテーブルウェアのディティールを服に落とし込んだ。カラーパレットは、昼下がりの柔らかな日差しに包まれるようなミントグリーンのペールカラーと落ち着きのあるディープトーンの配色が、クラシックでどこか懐かしい親しさが溢れ、マットなゴールドとテーブルクロスのようなピュアなホワイトが品の良い高級感を醸し出している。
お皿の中央に鎮座する王冠型に折られたテーブルナプキンをイメージした、トップスやスカート、ワンピースのデザインやシルエットが洗練されたクラシックを表現。また、繊細なアコーディオンプリーツが華やかなドレスに異なる色のプリーツを重ね、その絶妙な配色が大胆かつエレガントな印象に仕上がっている。
素材はリネンとシルクがメインで、リネンの自然な光沢とハリのある素材感がテーブルクロスやテーブルナプキンのような清潔感を際立たせている。シルクにはアンティーク皿の縁取りモチーフのボーダー柄と、アンティークポットの蓋のつまみをドットに見立てた水玉柄がプリントされ、細かな技巧が光っている。ニットにも袖口にアンティーク皿の縁取りモチーフが織り込まれ目を引く。昼下がりの日差しに包まれた、友人たちとの和やかなおしゃべりが聞こえてくるようなコレクションだ。
2011年9月には拠点であるアントワープに待望のショップをオープン。「内装も自身でデザインして、石壁と革、クラシックな壁紙を使ったサロンのような空間です。全コレクションが揃っていますので、雰囲気を味わいに来ていただけるとうれしいです」(本郷)。