ヨウヘイ オオノ(YOHEI OHNO)の2017年秋冬コレクションが2017年3月25日(土)、渋谷・ヒカリエホールにて発表された。
ヨウヘイ オオノ初の東京コレクションでのショー。最初で最後のつもりで臨んだというデザイナー・大野陽平は、スチールや絨毯などの無機質な工業製品をインスピレーション源に洋服作りを進めた。ベルトやロングブーツ、レザーのセットアップはランウェイの光に照らされ煌めく。メッシュのパーカーや、オーガンジーのブラウスと合わせて“透け感”と“メタリック”のバランスを実現させる。
柔らかいシャツにキャミソールをレイヤードしたり、パンツに大胆に切り込みを入れ金具で留めたり…女性の身体に合わせたユニークなシルエットを構築。胸の前で布がまとまるデザインのトップスや、腕を覆うレザーのグローブ、スカートが胸まで延長したようなワンピースなど、アイテムそれ自体で成立しているものをいかに崩していくか、を狙っている。
無機質さを洋服に落とし込んだとき、それが身体に馴染むように力を添えるのは温かみのあるカラーパレット。柔らかいカーキにブラウンやオレンジのワンピースをスタイリングし、非生物が元になったプロダクトに命を吹き込む。工業製品と異なり本来一人一人キャラクターを持っているはずの女性たちが、今季のアイテムをどのように着るべきか、まで提示したショーだった。