ミュウミュウ(MIU MIU)が発表した2017-18年秋冬コレクション。
インスピレーションとなったのは、1920~80年代。ずいぶんと長い間の時を手繰り寄せ、それぞれの時代のエレガンスとスポーティさを織り交ぜている。懐かしさをもたらすのは、ビッグなショルダーラインや大きく広がったパンツの裾。カメラや電話、猫、花を描いたサイケデリックなプリントなど、懐古趣味な面々も揃っている。
舞台は相反するものたちが詰め込められていて、フェミニニティを象徴するランジェリー・スリップと、スキージャンパーのようなカラフルコート。光沢あるシルク・サテンと透明感のあるビニル。ロックなベルトモチーフと、輝きを放つダイヤモンド・フェザーの装飾。共通項を持たずして寄せ集められたエレメントたちが、ミウッチャ・プラダの手の中で調理され、同じ国の住人かのように一つに束ねられていく。
キー素材となったのはフェイクファー。それもオレンジ、グリーン、パープル、イエローと明るい色のファーだ。思えば、ショーの招待状もラベンダー色のファーがあしらわれていて、会場入口からショー会場へ続く廊下、階段までラベンダー色のファーで統一されていた。
このシーズンアイコンは、コートとなり、ジャケットとなり、時にブーツやハットとなりストーリーを広げていく。アウターの襟は大きく、マルチカラーのチェック模様をあしらってレトロ調に。躍動感が欲しいときには、重量感のあるグローブを添えて。そんな風に「エレガンスとスポーティの交差」という大きなテーマを彩り、物語をドラマティックに魅力的に綴っていく。