ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリのルーブル美術館内で発表された。
今シーズンは、ウィメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールが、ニューヨークのメトロポリタン美術館を訪れたところから始まった。豊富な美術品の中から二コラが目を留めたのは、18世紀フランス貴族の衣装たち。煌びやかで格式高い衣装の数々に感銘を受け、シーズンアイテムを作り出した。
出来上がったのは、クラシカルな要素を残したピースである。当時の趣を大切に、ジャケットやベスト、コートは贅沢なブロケードと精緻なエンブロイダリーで飾った。ラメ糸を織り込んだ贅沢な素材は、存在するだけでうっとりとするほどラグジュアリー。襟は立ち襟に整え、裾は燕尾服のように長く伸ばし、細かなジャカード織りの上には、立体的な花刺繍を添えてエレガントに仕上げた。
しかし、新作が活躍するのは2000年代の現代である。そのため、伝統的なエッセンスを含んだピースの数々は、コーディネートによってモダンに進化させた。象徴的なのは、ボクシングパンツのように短いショートパンツの起用で、光沢あるシルク素材のパンツが、躍動的な表情をもたらしている。
足元は、90年代スニーカーブームの時代を想起させるようなボリュームあるスニーカーで揃えて。重量感のあるソール、スポーティーなカラーリング、アクティブな要素ばかり揃うのに、ラグジュアリーブランドが手掛けると、上品に決まる。
また、歴史に向いた興味は、ルイ・ヴィトンの伝統へも必然的に向けられる。メゾンを象徴するブランドロゴは、プリントTシャツへと変身。二コラが愛するSFドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス』までもTシャツとなり、インナーにシフォンブラウスを差した独特の着こなしで提案されている。