1774年、ヨハネス・アダム・ビルケンシュトックが靴ブランドとして「ビルケンシュトック」を設立。
ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)はドイツのシューズブランド。
履き心地、高い機能性、品質に拘る。足のアーチを考慮した形状のフットベッド(中敷)を生み出した。フットベットの存在意義はビルケンシュトックの活動、哲学、コンセプトに繋がっている。
※フットベット…足のベッドの意味。靴底に使用しているもの。衝撃から足を守り、歩き方を正しい姿勢に導いてくれる効果がある。スエード、吸湿性に優れた厚い麻、生ゴムを混合させた天然コルクなどを何層も重ねたフットベットが特徴。長時間歩いたときに足への負担を大幅に軽減する。
1774年、創始者ヨハン・アダム・ビルケンシュトック(Johann Adam Birkenstock)が教会の公文書に「臣王の靴職人」と登録される。96年、コンラッド・ビルケンシュトック(Konrad Birkenstock)がフランクフルトに2件の靴専門店をオープン。足裏の凹凸に合わせた中敷、フットベットアインラーゲン(※)の製造を始める。
1899年、 オーダーメイドシューズにフットベットを入れるという、アイデアを発案。1913年、コンラッドの長男で整形外科医のカールが入社。カールはフットベットの進化とその医学理論付けに貢献。医学的な側面からの靴作りに大いに貢献する。
踵からつま先にいくにつれ、幅広になっていくユニークなデザインが特徴。ビルケンシュトックが人間工学に基づき靴作りを行なった。当時、中敷の土踏まず部分の盛り上りなどは、非常に画期的なもので、靴を履いた時のフィット感や、歩いたときの追従性、吸湿性などを徹底的に追及した上に構築された形状だった。
このスタイルには反発もあった。靴にファッション要素を求める人たちには受け入れ難い面があったのである。靴にファッション性を与える場合、つま先は鋭角となり、高いヒールで前傾形状となるものが多いのであるが、ビルケンシュトックの靴はこのようなスタイルに反していた。
しかし医学的観点からは大絶賛を受ける事となり、第一次大戦中の負傷兵にビルケンシュトックの靴が支給されるなどのエピソードを残した。
1915年、第一次大戦中、コンラッドはフランクフルトのフリードリヒスハイムの野戦病院で、負傷兵のための整形外科靴の製作に従事する。その靴とメカニズムは医学博士に認められ、その後、医学関連の雑誌も掲載される。これを機に医療部門から注文が相次いで入るようになりビルケンシュトックの靴は拡大していった。
1962年、ソール部分はそのままにサンダル形状が発表される。これをヒッピーがファッションに取り入れたのを機に、ジーンズやTシャツなどラフな格好にビルケンシュトックを合わせるスタイルが生まれる。
1989年、ソールメーカーのアルザ(Alsa)社をコンチネンタルグループより買収。アスバッハの工場でソールとコルクフットベットの生産を始める。
ヨハネス・アダム・ビルケンシュトックの理念と技術はその後、コンラッド、カールらが継承し、現在でも健康概念を根底に置いた開発コンセプト、「自然から遠ざかった人の身体を自然な状態に開放する」により、新素材を用いた運動性、快適性の向上アップを図った靴を世に送り出している。
1989年、シーズナルラインの「Boutique」から枝分かれしたブランド「パピリオ(Papillio)」をスタート。ブランド名は鮮やかな蝶=パピヨン(Papillon)に由来し、その名の通りシャイニーなカラーリングやカラフルなプリント、マルチカラーやコンビネーションカラー等多彩なデザインを揃えている。
1993年、ウォッシャブルラインとしてスタートした「ビルキー(Birki's)」をブランド化。シャワーサンダルやガーデニング用スリッパ等水周りに特化したアイテムを展開していたが、近年ではフットベッドラインも扱っている。「ファン、ファミリー、スポーツ」という3つのキーワードの元、レジャーやアウトドアで活躍するアイテムが揃う。
1995年、コンフォートシューズラインから別ライン「フットプリンツ(Footprints by BIRKENSTOCK)」が誕生。スニーカー、ブーツ、ドレスシューズ等フットウェアのフルラインナップが揃う。フッドベッドはグループブランドとして唯一の着脱式構造を採用し、個人に合わせて調節できる。
「アルプロ(ALPRO by BIRKENSTOCK)」はプロフェッショナル向けのシューズを展開。アッパーやアウトソール、バックル等にオリジナルパーツを使用し、耐久性を考えたデザイン設計がされている。また、帯電防止やフッ素加工レザー等、実用性とタフさを兼ね備えた特殊な機能性を持ったアイテムは国内外の医療機関や研究所等で採用されている。
その他、靴下ブランドTabioとコラボレーションもしている。