イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月18日(木)にフランス・パリで発表された。
生活の中にある多種多様な感覚。例えば、対照的なリズム、予期せぬ交わり、現代的速度、幾重もの変化……。今季は日常で出会うこれらの境遇から着想を得て、日常に活力を与える新しい仕事着を提案している。
その日の気分に応じて表情を変えられる、リバーシブルのジャケットは、芯地などを使用していない軽く柔らかな仕立て。イッセイ ミヤケの概念に通ずる平面的なオーバーサイズの服は、ストレッチテープを体のラインに合わせて部分的に施すことで、動きやすく、着る人にあわせたフィット感をもつ服へと昇華されている。いずれも洗練された面持ちでいて、リラクシングな着心地が実感できる、日常に寄り添う服だ。
ベースとなる素材にはいつも驚かされるが、今回特筆したいのは、先に述べたリバーシブルジャケットのファブリックたち。温かみあるブラックのブークレーは奥行きと光沢感のあるレッドのシャンブレーと。ストライプ柄のコットンベース地は起毛加工を施したウールと組み合わせた。また、立体的に輝くグリーンのジャケットとパンツのファブリックは、片面のみをブラックに捺染した梳毛ウールを縫製後に製品染めした手の込んだ逸品。軽やかなだけでなく、新鮮な色彩と素材の重なりが、偶発的な力強さを生んでいる。
正方形の布は、モチーフとして幾度となく登場し、ブランドが守り続けている根っこの部分を表しているよう。緩やかな着こなしの中で提案する、落ち感あるコットンレーヨンに手捺染したシャツ、転写プリントのTシャツはそれを表す最たるもの。布をランダムに折り畳みプレスすることで現れるストライプ状の柄は、ブランドの伝統と革新の掛け合わせだ。
平面的、あるいは図形的な何かをデザインとしてとらえたのは服だけでなく小物についても言える。なかでも、アイウェアは1985年に発表されたサングラスの復刻モデルで、「1本の直線」と「2つの円」で構成された、それを顕著に表したアイテム。軽量のチタン素材、アセテートで包んだテンプル、ミネラルレンズの採用など、モダンなスペックを備えてここに甦った。