シセ(Sise)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月24日(土)に東京・NTT日比谷ビルにて発表された。
4年ぶりのランウェイショー形式での発表となった今回のテーマは、映画『ムーンライト』。キービジュアルのグラフィックが映す色彩とともに、センチメンタルな情景が浮かび上がる。
ショーのスタートは日没直前の18時。淡いオレンジや紫が混ざり合う空の下、ブルーの照明でライトアップされたランウェイをモデル達が歩いていく。
バイカラーのアウターは、肩の部分を異なる素材で切り替え、色と質感のコントラストでまるで影を表現するかのよう。後ろには、ネオンサインのようなモチーフがライトブルーやピンクの刺繍で表現されている。ネイビー、マスタード、ゴールドのチェックプリントや、タイポ柄ジャカードなど、グラフィカルな要素が散見された。
カラーパレットは、ボルドー、コーラルオレンジ、ピンク、バーガンディ、若草のようなグリーン、ビリジアンなど、柔らかでニュートラルな色を採用。チェリーピンクのトップスにコーラルのシャツを合わせたスタイリングは、袖口からブルー、パープル、グリーンのディテールが覗き、まさしく夕方の空のようなグラデーションを描き出す。
目立ったのはウインドブレーカーにショートパンツの組み合わせやレギンス、トラックスーツにキャップといったスポーティーなルック。ショート丈のダウンジャケットは、パーカーの上からラフに羽織ることで、抜け感を見せる。
ウール地で仕立てられたブラックのロングコートやフード付きコートは、上品な生地の光沢感とともに、美しいシルエットが印象的だ。ブラックで全身を統一したシンプルなスタイリングだが、思わず目を惹いてしまうような存在感を放つ。
ツヤ感のある深緑やブラックで仕立てられたガウンもまた、端正な仕上がりだ。背中で2つにセパレートしたパターンを軽やかな素材で構築することにより、歩く度に風をまとい優雅になびいていく。シンプルなシャツや細身のパンツに組み合わせ、中性的で繊細なムードを演出する。