2018年春夏ウィメンズのパリコレクションでは、花や植物をモチーフとした"ボタニカル柄"が多くのブランドから登場。大胆に刺繍を施したゴージャスなドレスから、細かな柄のシンプルなワンピース、一見ボタニカル柄だと分からないレースブラウスまで、様々なタイプのルックが見受けられた。
デザインとして多様性の高い柄の1つであるが、これからの季節感やボタニカル柄のベーシックな魅力を考慮し、今回はヤシの葉やバンブーなどをモチーフとした王道エスニック(民族的)リゾートスタイルを特集する。
ホワイトVネックにアフリカンなボタニカル柄パンツを合わせたのは、バレンシアガ(BALENCIAGA)の2018年春夏コレクション。紺生地にレッドやイエロー、グリーンといった原色で花や葉を描いた。耳元にはパンツにも使われているグリーンカラーの大振りなサークルピアスが揺れており、これもまたアフリカの女性を彷彿とさせる。
シンプルで都会的なVネックと大振りピアスを合わせることで、ボトムスだけにボリュームが集中せず絶妙なバランスが取られている。
民族衣装とリゾートファッションをミックスしたようなカルヴェン(CARVEN)2018年春夏コレクションのルック。夏らしいチューブトップに、植物柄や民族的な柄数種をデザインした膝下スカートを合わせた。さらに、色鮮やかなアフリカンサンダルで足元からエスニックな雰囲気を醸し出している。
Y-3(ワイスリー)の2018年春夏コレクションからは、気楽な南国ルックが登場した。ポイントは、ヤシの葉が全体に描かれたブルーのアラジンパンツ。南国やリゾートを象徴する"ヤシの葉"が涼し気なブルートーンでデザインされている。
また、トップスもボトムス同様のゆったりとしたシルエットになっているので、全体的にリラックスムードが漂う。キャップやスニーカーとのスポーティーな組み合わせは、Y-3ならでは。
今までアフリカや南国風エスニックスタイルを紹介してきたが、本項目はアジアンエスニックにフォーカスする。
ケンゾー(KENZO)の2018年春夏コレクションでは、バンブーやロータスといったアジアのボタニカル柄をメインに使用。中でも一層アジアンテイスト漂うのは、臙脂色をバックにバンブーがストライプ模様のようにデザインされたルックだ。カラーリングはもちろんのこと、ベトナムの麦わら帽子「ノンラー」のような形状のハットがエスニックらしさを十分に引き出している。
ヴァレンティノ(VALENTINO)2018年春夏コレクションから、まるで中国の水墨画を刺繍で縫い施したかのような夢幻的なルックが登場。淡いピンクのシルク生地に、池からのぞく草花をビーズなどで繊細に表現した。水墨画風の絵柄をデザインに落とし込んだという点から、アジアのエスニック要素よりも"シノワズリ"要素が強いルックとなっている。