どうしてもカジュアルになってしまいがちな夏の装い。暑くなってもオシャレは手を抜きたくないし、大人女性ならではの上品さは失いたくない!
夏物への意欲が高まってきた今だからこそ考えたい、スタイリングのヒントをビッグメゾンのランウェイから紐解いていく。
お店に足を運ぶ前に念頭に置いてほしいのが、“抜け感”というキーワードだ。夏の装いの中でも女性らしさを失わない秘訣はそこにある。そのために抑えたいのは次にあげる4つのポイント。
その昔、シャネル(CHANEL)が提案した、エレガントなツイードアイテムを交えながら、マニッシュなオーバーサイズのPコートをあわせたスタイル。インナーは思い切り女性らしく、アウターはメンズライクなものを合わせることで、絶妙にバランスの取れたエフォートレスなムードを呼び起こす。
グンとマニッシュに寄せたセットアップはロエベ(LOEWE)のもの。とは言え、抜けた肩や腕周りのシルエットのノースリームジャケット、そして柔らかな素材感によって程よいドレープの効いたワイドパンツは、そこはかとなくレディライクな印象も受ける。今季はワイドパンツが豊作の年でもある。着こなす際は、トップスの肌見せでバランスをとって、女性らしさを加えて。
絶妙に抜けのあるスタイルは、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の真骨頂ともいえるだろう。今季は敢えて肩をアシンメトリーにドロップさせるスタイリングも提案していた。シルクのスカートで合わせるとエレガントさを助長するが、デイリーのパンツスタイルでもこの肩見せスタイルは重宝できそう。
2018年の春夏は、オフショルダーもトレンドのひとつ。ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)は、マリメッコ(marimekko)の柄を用いて、色気を伴った個性的な肩見せスタイルを披露。オフショルダーのワンピースには、インパクトある小物やボリュームのある足元で辛さを残したい。
大きく胸元があいたブラウス類を、上品かつ女性らしく着こなせれば無敵。そのためには、ボトムスなどとのバランスが必要だ。サンローラン(Saint Laurent)のブラウスは、胸元のVネックと、バックロングのフォルムが印象的。ボトムスにレザーショートパンツを合わせることで、パンキッシュにまとめた。ほんのりボヘミアンを織り交ぜながらもサンローランらしい力強さをあわせたスタイル。
ディオール(Dior)は重ね技でみせる。トップス自体オーバーシルエットだが、その下にシャツを合わせることでほんのりプレッピーな要素を交えた。ドロップした型や長めの袖が華奢なボディラインを想起させ、エフォートレスな印象を残しながらも、シャツとキャスケットできちんと感はしっかり演出。
力強い赤1枚で作り出したヴァレンティノ(VALENTINO)のエレガントスタイル。パターンの切り替えのない仕立てだからこそ生まれるドレープが、最大にして最強のエフォートレス&エレガントな表現だ。先述した肩だしのスタイルも相まってより一層今季らしい装いに。