©Frank Horvat/Condé Nast Archives/Corbis
ディオール(Dior)のファッション、ファインジュエリー、フレグランスの歴史を綴った3巻構成の回顧本「Dior」が、フランスの出版社Assoulineから発売された。フランスのオートクチュールとクラフトマンシップの最高峰を誇るメゾンであり、人々の注目と羨望の眼差しを集め続けるディオールの集大成ともいえる一冊だ。
第1巻は、オートクチュールやプレタポルテの制作風景や、ショーなどファッションについての写真に解説が加えられている。第2巻では、類い稀なクラフツマンシップと斬新なデザインでジュエリーという概念を驚きと共に覆してきたディオールのファインジュエリーの魅力が余すところなく伝わってくる。
香水についての第3巻では、香りそのものだけでなくブリジット・バルドーやシャーリーズ・セロン、ディオール オムのキャンペーンフィルムに登場したジュード・ロウなど、それぞれの時代にときめくアイコンたちにもフォーカス。また1947年、世界的センセーションを巻き起こしたニュールックスタイルになぞらえたフォルムから、今日の「ジャドール(J'adore)」へと進化したボトルデザインの変遷も紹介している。ブランドのアイデンティティを重んじ、永きに渡って確かな歩みを続けてきたディオールの魅力に改めて心揺さぶられるだろう。
“女性の体の美に捧げる刹那の建築、それを私は創っているのだと思う”
クリスチャン・ディオール
左) ©Patrick Demarchelier
右) ©Laziz Hamani
3冊がおさめられるボックスは、1940年代からディオールの広告を手掛けたルネ・グリュオーの作品「Miss Dior」(1949)が表紙を飾り、バックカバーはリチャード・アヴェドン撮影の「Dovima with elephants」(1955)。ハウス・オブ・ディオールのベルベット・ドレスを纏ったモデル、ドヴィマが象たちの前でポーズをとった、ファッション史に残る歴史的写真も見逃せない。
【書籍詳細】
「Dior」
価格:$75
言語:英語版、仏語版、中国語版
販売:Assouline各店舗、大手書店ほか
【解説者紹介】
Vol.1 Dior Fashion
キャロリーヌ・ボングラン(Caroline Bongrand)
小説家、劇作家 ラグジュアリーファッションマガジン「L'Officiel de la Mode」の前編集長。これまでに7冊の小説を発表し、多数の言語に翻訳されている。現代女性に関する評論も発表。
Vol.2&3 Dior Fine Jewelry / Dior Perfume
ジェローム・ハノーヴァー (Jerome Hanover)
ラグジュアリーライフスタイルを専門とするジャーナリスト。仏雑誌「Double」の前編集長。「L'Officilel」では宝飾・時計の編集に携わる。このほか「Mixte」、「Air France Magazine」、「Le Figaro」ほか多くの媒体で執筆活動中。