シャリーフ(SHAREEF)の2018-19年秋冬コレクションは、毒っぽいカラーパレットとプリントで、パンキッシュな印象を含まらせつつ、ほどよく抜けのあるエフォートレスなスタイリングで構成。遊び心ももちろん忘れていない。
イレギュラーなストライプやボーダーは、特にシャツやプルオーバーへ採用。コート、ブルゾン、ワイドスラックスに落とし込んだフォーマルな印象のレジメンタルストライプは、カジュアルなスタイルの中に程よくクラシックなムードを纏わせる。カラーパレットはパープル、ブルー、レッドなどほんのりくすんだディープ感のあるチョイスだ。そこにレザー、メタリック、デニム、そして小物に見られたPVCなどエッジィなテクスチャーが挿入された。
スタイリングは、シャリーフお得意の“緩急”が顕著で、スキニーパンツとは、ボリュームアウターを肩を抜いて着こなしたり、オーバーサイズのシャツを合わせたり。今季はタックパンツが豊作で、メタリックな素材やウォッシュドデニムなどのラインナップで、前述したクラシックストライプのシャツをタックイン、クロップド丈のジャケットを羽織るなどした、トップスをコンパクトに見せるルックが主流だ。
遊び心のため採用したのは意外にも“実用性”。といっても直接的に、ポケットがあったり、何かが変形して2WAYになったり、そういう面ではない。今季はモチーフとして、2017年まで使用されていた旧洗濯表示、あるいは日常によく目にするバーコードが登場している。それをシャリーフ風にアレンジして、プルオーバーのロゴやパンツのデザインアクセントとした。
遊び心の在り方は極めて“今”といっていい。だが、包括的なことを言えば、おそらく70年代~のグラムロックのルーツを遡っているような雰囲気。昔流行した今なら“チョイダサ”にも見せるスタイルを、シャリーフのカラーで再解釈した“イケてる”パンクスタイルが今季の提案だろう。