ラフ シモンズ(RAF SIMONS)の2013年春夏メンズコレクションは、成熟した男性でも女性でもない、「少年」という曖昧な存在が持つ中性的な魅力を描き出した。
ブラック、ホワイト、ミッドナイトブルーの静けさのただようカラーリングに、中盤からオレンジやピンクなどの華やかな色彩が加わる。今季のキーアイテムであるスリット入りの短め丈のショートパンツに、ビッグシルエットのアウターやボックスタイプのトップスを合わせて、昨シーズンと同じく上半身にボリュームを持たせたシルエットがメイン。
注目は、大胆かつ繊細に配置されたプリント。LAのアーティスト、ブライアン・カルヴァンの作品である印象的な瞳の女性を描いたTシャツや、ブルーとイエローが絶妙に混ざり合うリバティプリントが登場。なかでも後半に登場したロングコートは、プレーンなフロントの印象とは対照的に、バックにプリントとギャザー、プリーツが施され、後ろ姿は女性が纏うワンピースのようにエレガント。
2012年秋冬シーズンから7年間務めたジル・サンダーのクリエイティヴ・ディレクターを辞任し、ディオールのでアーティスティック・ディレクターとしての新たなキャリアを歩み始めたラフ・シモンズ。これらの経験を経て、彼の得意とするミニマルな美への追求がどのように高められ、そして変化していくのか、今後も目が離せない。