セリーヌ(CELINE)の2019年春夏メンズコレクションが、フランス・パリで発表された。エディ・スリマンのデビューショーは、ウィメンズとの合同ショー。全96ルックからなるコレクションは実はすべてユニセックスという斬新さ。モデルは全てセリーヌだけのエクスクルーシブで、エディの友人もモデルとして登場する、まさにエディ劇場の始まりだった。
セリーヌ、セリーヌ、セリーヌ。世界中のジャーナリスト、エディターたちがこの話題で持ち切りだ。様々な意見が飛び交うが、デビューショーはエディのピュアな部分が全面に出ている。ブランドが変わっても場所が変わっても、エディの好きなものは多感な10代のときに見たものだからだ。
テーマは「パリの夜」。学生のエディが通い詰めたパリのクラブが着想源だ。ミニスカートやダンシングドレスを纏った女の子たちを連れた男の子たち。彼らは、きっとスリムフィットなパンツをユニフォームのように着ていたのだろう。ジャケットは、いま見るとヴィンテージライクに見えるどこか懐かし気のあるもので。当時流行っていた、コールドウェーブという音楽ムーブメントから着想した、グラフィカルなパンツやジャケットも揃えている。
スポーツミックスが一つのスタイルとなりつつある、今のファッションシーンで、エディはスーツ、ジャケットにこだわっている。ブラックのジャケットやパンツには、ホワイトのシャツがよく似合う。
音楽好きなエディは、同じようにミュージックを一つのインスピレーションとしているアーティストともコラボレーションする。アメリカのヴィンテージコミックをコラージュして“オノマトペアート”を作るクリスチャン・マークレーの作品をコレクションに落とし込んだ。ポップでユニーク、しかし全て総刺繍で描かれたゴージャスなドレスは、クラシックなスーツで決めたメンズスタイルとの相性が抜群だ。