ブラック スキャンダル ヨウジヤマモト(BLACK Scandal Yohji Yamamoto)は、2019-20年秋冬メンズコレクションを発表。モデルには、俳優の柄本佑を起用した。
象徴的なブラックに“色を付ける”要素として、スキャンダラスなモチーフや、自嘲的なメッセージをプリントしたウェアを展開するブラック スキャンダル ヨウジヤマモト。2019-20年秋冬コレクションでは、「虚無妄想」という山本耀司直筆のメッセージや、生と死の儚さに着目。大胆さと繊細さを併せ持つ表現を、服に投影した。
目に留まるのは、画家の朝倉優佳による動物のデッサン。中には、山本耀司を百獣の王・ライオンに見立てた、ユーモラスなデッサンも登場する。
繊細な線を重ね、どこか物々しくも刹那的に描かれた恐竜や動物が、裾を紐で絞ったワイドパンツや、黒地のブラウスにダイナミックにプリントされている。勢いのあるタッチから見て取れる“獰猛さ”の表現は生を象徴。「スカル=骨の死」と対照的に描き出している。
エレガントな光沢のベルベットのセットアップには、浮かび上がるように蛇を転写。オーバーサイズのテーラードジャケットと、ゆったりとしたシルエットのタックパンツ、それぞれのドレープの流れに沿うようにして描かれた蛇は、毒々しくも生の躍動感に満ちている。
辞書の1ページを切り取ったかのようなプリントには、暗黒時代、黒文字、黒花蛇など“黒”にまつわる言葉が並べられている。中には「黒衝撃(クロノショウゲキ)…山本耀司」といった項目も見え、シニカルな印象に。しなやかなロングブラウスの半身に連ねられた文字列は、静かながらも濃厚な余韻を残していく。