パリファッションウィークで発表された、ケンゾー(KENZO)の2013年春夏コレクション。活気あふれるアジアのジャングルからインスピレーションを受けた、スタイリッシュで現代的なスタイルを提案。大自然が放つエネルギーそのもの表現する緑や黄土色のアースカラーに加え、アイスブルーや淡いピンクといった明るい色を組み合わせた、"都会の春"のカラーパレットで展開された。
トラが隠れたリーフプリントや、ユニークなブーツなどから伝わってくるのは、未開のジャングルを探検するようなわくわく感。タンジェリン、ターコイズ、マスタードイエローなどのカラフルなヒョウ柄プリントや、暗視スコープから見えるであろうジャングルの世界を描いたサイケデリックなフォレストプリントは、人工的でモダンな雰囲気を醸し出す。おなじみとなったタイガーモチーフもユーモラスな表情を見せ、ブーツやサンダルはラフィアやメタルを使ったトライバルなデザインがポイントだ。
前シーズンに引き続き、サファリ風ジャケットやジャンプスーツなどに見られる機能性と、肌を大胆に露出したセクシーなデザイン、そしてルーズなシルエットが心地よいテーラリングといった要素が絶妙にミックスされているのが印象的。ケンゾーのシグネイチャーのひとつであるオフショルダードレスは、ボリュームがそぎ落とされ、トップスやドレスに進化した。また、ランジェリーからヒントを得たアイテムは、女性ならではの魅力を引き立てている。
アクセサリーは今季もデルフィナ・デレトレズ(Delfina Delettrez)とのコラボレーション。テクスチャード加工されたメタルやプリントメタルを使用したデザインは、ジャングルの激しさを想わせる。
1969年に気鋭のブティック「ジャングル・ジャップ」をパリにオープンしたブランド創業者の高田賢三。そのエネルギッシュなスピリットは、今私たちが着たい服となってよみがえっている。