スナオクワハラ(SUNAOKUWAHARA)は、2020年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
テーマに掲げたのは「Victoria's Asaki Yumemishi」。世の移り変わりや、美しいものの儚さを表す“あさきゆめみし”という言葉と、ヴィクトリア女王をイメージソースに、ロマンチックなムードと、一義的にとらえきれない“余白”や“余韻”を併せ持ったピースを展開する。
目に留まるのは、赤、ピンクの花をつけたローズのプリント地。レーヨン・麻のざっくりとしたキャンバス地に、職人が版画のようにハンドプリントを施し、ヴィンテージライクなムードに仕上げている。丸みを帯びたジャケットや、タックスカート、ワンピースに落とし込まれたローズ柄は、優雅ながらも、どこかイノセントな表情が魅力だ。
きめ細やかな透け感の半袖ブラウスは、光を通すことによってより一層涼しげに。背面でブルーとグリーンの布地を斜めに重ね、動きのあるフォルムに仕立てている。また、広がりのある袖、ふんわりとした身幅のコットンテンセルボイルブラウスや、合わせにギャザーを寄せることでフェミニンさを添えたストライプジャケットも、クリーンな透明感を備え、清らかさを演出する。
緩やかなドレープを生かしたパターンメイキングも散見された。布地をふわりとクロスさせたようなギャザーワンピースは、前身頃と後ろ身頃で白黒の生地を大胆に切り替えた1着。装飾の無いミニマルさと、ゆったりとした布地の流れから生まれる上品さが調和し、独特の存在感を放っている。
自然な光沢を備えた麻や、レトロなドット柄リネンで仕立てた半袖ワンピースは、バックに生地をぎゅっと集め、ひと結びしたようなデザインが印象的だ。ベージュのワンピースには、製品洗いにかけた、ピンクの軽やかなパンツを重ねることで、柔らかく明るいスタイリングに。
また、背面にたっぷりとした曲線を描き出すコットンシルクローンの半袖シャツや、ポンチョのように袖の無いワンピースなど、生地の分量感で遊びを取り入れたウェアが目を引いた。