ヴィヴィアン・ウエストウッド レッドレーベル(Vivienne Westwood Red Label)の2013年秋冬コレクションがロンドンファッションウィークで2013年2月17日(日)に発表された。
今シーズンでは、神話上の自然から得たインスピレーションにトレンドのエッセンスを加えることで、新しく独創的なシルエットとデザインが生み出された。こっくりとした複雑なカラーのパープルやブルー、オレンジ、そしてメタリックなテキスタイルやスパンコールの輝きがミステリアス。
自然の神話性やギリシャ神話を抽象的かつ概念的に転化したコレクションは、ギリシャ神話の登場人物「パン」「アルテミス」「セレネ」の3つのグループに分けることができる。
パンは、羊飼いや狩り、田舎音楽の神で精霊(ニンフ)の仲間で、パニックの神。マスキュリンな要素であるオーバーサイズ、ボックスシルエット、ゆったりとしたシルエット、ゆとりのあるウエストライン、ワイド・トラウザー、ミニマルなラインのジャージ素材とニットウエアに反映されている。レザーのサルエルパンツも象徴的なアイテムだ。
狩猟、山野と野獣をつかさどる女神アルテミスは、ボリューム感とタイトさとのコントラストを兼ね備えたシルエットに。女神アルテミスは挑戦的で弓術を得意とするアマゾーンの守護神のひとりだ。ラウンドショルダーやタイトめのハイウエスト、40年代を思わせる膨らみを持たせたヒップライン、テーラリングに見られる緩やかなカーブのバランスが、シンプルかつフェミニン。
最後は毛深く黒いヤギの姿に身を隠したパンが、夢中になって誘惑したという月の女神セレネ。このセレネが今コレクションに官能的なニュアンスを持たせた。ケープのディテールをコートとバッグに、ドレープやケープのディテールをトップスとドレスに落とし込み、レザーやスパンコールを用いたショートジャケットや、ボリューム感のあるバックスタイルのニットなどに表現されている。
自然を表わすのは、鉛筆で写生したような手描きタッチのフラワーや、陶器のようなグラフィックなど、楽しくフェミニンでアーティスティックなプリントの数々。ゴージャスなプリントは繊細な植物、野生の動物などの神話における自然、そしてギリシャ神たちの誘惑や官能を彷彿とさせた。