シーバイクロエ(See By Chloé) 2020年秋コレクションが発表された。今シーズンは、90年代前半の英国エッジの効いたアングロスタイルと、70年代パリのブルジョアスピリットに着想を得た、都会的で洗練されたワードローブが展開される。
様々なテイストが交差する今シーズンのコレクション。日常のリアルクローズは新鮮なアイテムの組み合わせによって、エレガントなルックへと昇華しているのが印象的だ。例えば、モデルの体躯をすっぽりと覆うオーバーサイズのタータンシャツは、ドレッシーなレースパンツと合わせることで、ロマンティックなムードをプラス。また“ケープ”のようにゆったりとしたセーターには、膝下丈で細身に仕上げたバミューダパンツを差し込んで、気品漂う表情に仕上げている。
散見されたセットアップには、スポーツテイストを交えたユニークなピースが登場。従来のジャージ素材に対して、温かなニットをドッキングさせることで、肌寒い秋口にぴったりなスポーツアンサンブルを完成させた。
シーバイクロエの豊かな想像力で再構築された“プレッピー”なルックも、今シーズンのシンボリックなスタイルといえるだろう。スリーブにフリルをあしらったストライプ柄のテニスドレスや、サフラン色で鮮やかに仕上げたコーデュロイパンツ、レースを組み合わせたフェミニンなリボンブラスといったアイテムが、コレクション全体にフレッシュな彩りを添えている。
パレットは、ゴールドやリッチなバーガンディ、ディープブルーなどのニュートラルな秋らしい色彩を中心に、シックなブラックやグレーを織り交ぜて。またバロック式の渦巻き模様のモチーフは、デニムジャケットや半袖の白Tシャツといったカジュアルなピースにのせることで、エッジのきいたアクセントを加えている。
モデル達の足もとを飾ったレザーブーツも、今シーズンの重要なエッセンス。スリムなスタックドヒールが特徴の「ANNIA」は、ニーハイ丈とアンクル丈の全2種類を展開し、様々なレングスのボトムスとコーディネート。その引き締まった端正なシルエットによって、コレクション全体に漂うリラクシングなムードに、程よいスパイスを与えていた。