カイキ(kaiki)2021年春夏コレクションが、2020年10月13日(火)に発表された。
新しい何かを外へ探しにいくのではなく、今まで積み重ねてきたものの“内”で探求することからスタートという今シーズン。これまでは様々な理由や気分で目を向けることのなかった素材やアイディア。そんな“遠ざけていたもの”にじっくりと目を向けることで、新たな価値を宿したアイテムがコレクションの主役となって登場する。
「リラックス感と緊張感」という対極的な要素を、バランスよくミックスしたスタイルを提案するカイキ。“内なる探求”を経て今季のコレクションのキーモチーフに選抜されたのは、クシャッとした独特な表情を持つユニークなテキスタイルだ。
生地の質感によって、絶妙に表情を変えるそれは、ハリ感のあるジャカードシャツとなるとやや硬質な印象に。一方シワ加工を施したロング丈のシャツに現れた際は、まるで“和紙”のような柔らかな表情へと変化する。ボトムスには、直線的で計算されたストライプ柄のスカートを合わせることで、そのランダムな表情のシャツと、対極的なコントラスト描いているのも面白い。
“緩急”を意識したレイヤードスタイルは、春夏らしい明るいパレットの差し色によって、より一層その表情を強めていく。例えば、トーンの異なる鮮やかなピンクの2枚のシャツは、腕をルーズにまくったネイビーのニットウェアに差し込むことで、その直線的な裾や、ボタンをしっかりと留めた襟元&袖元のフォーマルな所作を浮彫にする。
また同系色のピンクのジャケット×カットソーを重ねた、春夏らしいルックには、カーキのプリーツスカートを組み合わせた。トップス同様、スカートもレイヤードしているかのような、“段違い”にみえる仕掛けも実にユニークだ。
そして今シーズンは、デザイナーの飯尾開毅が“自分で着たい”と思ったメンズウェアも制作。シンプルながらも、しっとりとしたツヤを持つ、ややオーバーシルエットなシャツやボトムスが登場する。パンツには調節可能な華奢なストラップが付属していて、シャツをタックインした後、キュッと絞ることで、ワークウェアのようなスタイルでも楽しむことができる。