ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が2013年6月23日(日)、2014春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。
トーマス・マイヤーが今回試みたのは「視覚的な矛盾の影響」を探求すること。一見で見て分かる矛盾は、チョークのようなものでラペルやポケット、ボタンを描いたトワルチェックの途中のようなジャケットや、ジャケットのヘムがスクエアになった“ジャケブルゾン”的アイテム、ライダースジャケット風のシャツなどで表現されている。確かに違和感があるけれど、それほど実験的な匂いがしないのは、ブランドの根底に確固たるエレガンスが流れているからだろう。
そうしたトロンプイユ(騙し絵)なジャケットに合わせるシャツは、オープンカラーやノーカラーの胸元を大胆に露出したもの。といっても下品でも過度な色気があるわけでもなく、程よく開放的な雰囲気を醸し出している。
ショー後半は、タッタソールや落書き風の手書きのチェックなど、黒×白という限定された色によるチェックの行進。チェックオンチェックの普通ならうるさくなりがちなコーディネートも、上品に大人っぽくまとめられている。
人気の高いバッグは、小旅行に最適なサイズのボストンと、レディースのような小ぶりのクラッチ。色はグレー、白、黒、紺をベースに、紫、緑、ワインレッド、ブラウンを挿色に使用。素材は上質なウールをはじめ、コットンギャバジン、ツイル、滑らかなスウェードなどで構成した。
“探求”というと苦労して結論を導きだすようなイメージがあるが、そういう堅苦しさは一切なくて、貴族の優雅な遊びを垣間見たようなコレクションだった。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)