パリで発表されたヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)2014年春夏メンズコレクション。今季は学生の制服にインスピレーションを受けた。
カラーパレットは、制服によく使われるブラックやグレーが中心。差色にホワイトやヴィヴィッドなエレクトリックブルーを採用し、全体のほど良いアクセントとした。また知的な学校のイメージを表現し、古書や活字がプリントされたジャケットやシャツはインパクト大。その他にも縦ストライプやアーガイルなどの柄が、全体として落ち着いたトーンのスタイリングに映える。
シルエットは全体的にスリム。トラウザーはスキニーパンツのように細く、ジャケットもボディラインに沿い、シャープで綺麗なシルエットを描く。また、ニットやスウェットパーカの脇下辺りに施されたジップを開ければ、コーディネートは脱構築的な印象に。
シンプルな色調のなか一際目を引くのは、足元に光るレザーシューズ。ブラックと鮮やかな青のコントラストがエッジィなこのシューズは、素材として革の表面に樹脂を塗り光沢や耐水性をもたせたパテントレザーが採用されている。
既存の制服が着想源で、全体としてスーツスタイルが多い。しかし柄や素材感、異素材の組み合わせ、ディテールの意外な工夫で遊びを効かせ、義務的な制服の概念を反抗的に捉え直した。