2013年9月27日、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) 2014年春夏コレクションをパリファッションウイークにて発表した。
登場したアイテムは、細身のジャケットにタイトなスカート。一風変わっているのは、どれも袖が取れかかっているということ。かろうじて粗い縫い目で引っかかっていたり、リボンで結んであったり。覗かせるのも肩の上部に下部と様々で、脆くて不安定、退廃的なムードを連れ立っている。
すると、突如として現れたネオン色のルック。さぞかし観客たちの意表を突いたことだろう。よくよく考えてみれば、モノトーンのモードなウェアにはひどく不釣り合いなファンキーなヘアスタイルが、このネオンの衝撃を暗示していたのかもしれないと気づく。蛍光ペンを手に取って自由に色を付けたかのように、色彩の組み合わせは新しく大胆。透け感のある生地を重ねることで、見たことのない色を誕生させている。例えば、オレンジの上にグリーンを持ってきたらどうなるか、そのイメージは誰もなかなか頭に浮かばなかったはずだ。蛍光グリーンのドレスに青いカーディガンを重ねれば、ブルーライトの中で照らされたように見えて面白い。そして、しばらくするとこの光景がまったくの夢だったかのように、色彩はいつもの見慣れたモノクロームの世界へと徐々に引き戻されていった。
白シャツを使った、少年風のルックは、愛らしい魅力に溢れ、燕尾のようなジャケットは、後ろにボタンが配されており小技を効かす。シャツの上にハーネスと思われるアイテムを重ねた着こなしも感度が高い。後半に再登場したネオンは、前半に黒で示したよく似たデザインを、色を変えて提案。ラストのシャツにジャケットの袖を引っ付けたスタイルの5人組も、前半のルックを再構築して生み出されたのだろう。