ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2022年 秋冬 アルタ モーダ コレクションを紹介。
2022年で10周年目を迎えるドルチェ&ガッバーナのアルタ モーダ コレクション。今季は、千年の歴史と美が息づく、イタリア・シチリア島シラクーザのドゥオーモ広場を舞台に発表された。デザインには、ドゥオーモ広場の丸みを帯びた造形や、装飾と呼応するかのように芸術的な世界観を投影。クラシックとバロックを軸に、カタルシスと祈りの対比や、自然に咲く花々からインスピレーションを得た劇的なピースが披露されている。
特に、立体感のあるシルエットやディテールが、ラグジュアリーな雰囲気を後押ししている。天使を立体的に形作り、彫刻さながらの佇まいに仕上げたファーストルックに始まり、大きく開く翼をあしらったミニドレス、金色に輝くアラベスク模様を身にまとったかのようなドレスなど大胆な装飾のピースが目を引く。いずれもフォルムはダイナミックながら、モチーフ1つ1つの造形は繊細に作られており、天使の表情や身体の質感、翼の躍動感などを感じ取ることができる。
シアーなオーガンザを幾重にも重ねたドレスにも、布地を縫い付けて表現された天使や花々を装飾。ふんわりとした軽やかなオーガンザ素材にモチーフがあしらわれることで、より一層生き生きとした風合いを見せている。また、バラの花を所狭しとあしらったケープやガウン、ブラックのオーガンザに様々な色彩、形、大きさの花々をあしらったドレスも登場。光沢のある素材や透ける生地、柔らかな生地など、多彩な布地を用いて表情を付けながら装飾することで、花開くみずみずしい姿を表現している。
イエローやピンク、オレンジ、ブルーなどブライトな単色のドレスは、カッティングによってリュクスな分量感を表現。空気を含むようなボリュームのショールと、贅沢なトレーンによってダイナミックなシルエットに仕上げたドレスや、細かくフリルを重ねていくことで、まるで第二の皮膚であるかのように有機的な佇まいに仕上げたピースが登場している。
また、歴史ある聖堂の建築様式を彷彿させるドレスや、宗教的なシンボルをフィーチャーしたルックも散見された。壁画のように絵画的に表現された花柄のレースドレスや、幾何学的なモチーフを金糸やビーズ刺繍で施したジャケット、アラベスクと色彩豊かな花々をハンドペイントであしらったドレスなど、緻密かつ絢爛な装飾に注目だ。
シックなブラックのロングドレスのフロントには十字架やハート、マリア像などを象徴的にあしらい、べールをまとったレースドレスのスタイリングにも大きな十字架のイヤリングとネックレスを組み合わせた。シアーなロングガウンには、神秘的な輝きのマザーオブパールを刺繍とともに散りばめ、規則的に連なる幾何学模様を描き出している。
©DOLCE&GABBANA