ミハラ ヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)が2010-2011A/Wシーズンのコレクションを発表した。レディースコレクションのテーマは「ODYSSEY(オデッセイ)」。ODYSSEYという言葉が意味するように心や人生における「旅」を表現したコレクション。都会から自然へと向かう女性のODYSSEYを表現した。
アイテムにも「旅」が隠されており、ツイードのマウンテンパーカー、ライダース風でコットンカルゼ素材を使用したジャケットが登場。長い間に一緒に旅をして風化されたようなブロークンニットやベビーアルパカのガウンの素材感は絶妙で、旅する女性の儚さや内面の強さを感じる。
ヘアスタイルやメイクも「旅」を意識させるもので、ヘアスタイルはまるで4日間洗っていないような無作法な感じを出し、メイクは目元を強く、グレーとえんじ色を使用し、内面から出る美しさを表現した。
メンズコレクションのテーマは「Be Attitude」。1950年代の「ビート・ジェネレーション」がインスピレーションソースとなった。規定の概念に捕らわれることなく、全てのアイテムを「唯一」の存在とすべく、一つずつに手間をかけて作り上げた。
一見デニムに見える素材は、実はウールで作られたもの。ホーススキンを使用したミリタリーA2をベースに作られているブルゾンは、メルトンをベースにレザーをはめ込んでいる。また、一見普通のざっくり網のニットに見えるニットレザーは、細く裂いたホースレザーをニット糸と共に編み込み、コートとブルゾンに形を変えている。
中でも今回一番目を引くのが、ジャカード織のシリーズ。フォトプリントのように見えるが、実は織の段階でフォトプリントに見える織り方になっている。さらにゴブランプリントのセットアップは、ウィリアム・バロウズの「裸のランチ」よりインスパイアされたもので、バロウズの「カットアップ」手法をテキスタイルに応用している。