ターラ・ブランカ(TARA BLANCA)は、2003年に誕生した日本のファッションブランド。主に、インド・カシミール地方で製作したストールを中心に展開している。
かつてはマハラジャの身を豪奢に飾りヨーロッパの上流階級の人々が愛したカシミール刺繍。ターラ・ブランカは、この伝統あるカシミール刺繍技術を現代に伝承し、スタイリッシュにアレンジ。
カシミール地方の高地に棲むカシミア山羊の冬毛から、特に柔らかい極上の毛を手織りにてショール生地に仕立て、さらに刺繍を施しす。熟練した一人の職人が、約5年間の制作期間をかけて仕上げる場合もある。
特筆すべきところは、生産管理の体制と、刺繍の美しさ。
生産は、カシミール地方スリナガルに100年の歴史を誇るショール工場と提携し、企画から製作まで一貫してオリジナルで行っている。この工房は、かつてはマハラジャに献上するターバンを創る工房として100年以上もの歴史を誇る。現在では500人以上の職人を統括し、日々ストールの制作や品質管理にあたっている。
手染めのストールは1枚1枚職人の手によって染め上げられているもの。独特の美しいカラーリングは、手染めの糸や生地によって実現している。グラデーションや2カラーのストールも1枚1枚手染めすることにより、1つとして同じもののない、オンリーワンのものに。
刺繍は、手刺繍によって制作。クリエーティブディレクターであるアシフと刺繍マスターとが1色1色選定し、ストールの仕上がりに重要なポイントの配色を丁寧に決めていく。
また、刺繍のデザインは、木版職人によって作られており、細かいデザインまで丁寧に木に彫られ、この木版を特殊な樹液を混ぜたインクにつけ、ストールに版を押していく。木版の職人工房には数千、数万にも及ぶ木版がストックされている。
総じて、ターラ・ブランカのストールは、手仕事の結晶といえる。デザイン、下書き、プリント、染め、洗い、フリンジ、刺繍、刺繍糸のカットなど全てが手仕事だ。