ラフ シモンズ(RAF SIMONS)の2023年春夏コレクションが発表された。
惜しまれながら2023年春夏コレクションをもってブランドを終了するラフ シモンズ。ラストシーズン、コレクションの着想源となったのは、ラフシモンズが2021年に訪れたロンドンの街路とその住人、そしてクラブで踊るダンサー達である。
中でも重要なインスピレーション源となったのが、英国のダンサー兼振付師であるマイケル・クラーク。奇抜で斬新な衣装をまとい、80年代に“パンク・バレエ”のスタイルで一世を風靡した彼は、クラシックダンスの厳密さとパンクのエネルギーを融合させた“英国バレエの革命児”だ。
今季のキーアイテムである、身体にぴったりとフィットするレギンスや、柔軟なネットのトップスは、自由な動きを表現する彼のスタイルから着想を得たもの。ブレザーやテーラードベストといったクラシカルなアイテムに、これら明るい色のネットトップスや、水玉模様のレギンスを組み合わせることで、楽しさと遊び心の要素を取り入れている。
ルックには、男女兼用のボディスーツが多用されていたのも印象的。ミニマルなロンパースは、シャツや、オーバーサイズのブレザー、ロングコート、さらには重厚感のあるレザージャケットの重ね着によって、多彩な表情を引き出している。
また、ベルギーの画家、フィリップ・ヴァンデンバーグのアートをプリントしたウェアにも注目。彼の手描きのアートは、ノースリーブのタンクトップやスカート、トートバッグに至るまで随所にあしらわれ、コレクション全体を貫くパンクのテーマをより強調させた。
コレクションに華を添える、遊び心たっぷりのアクセサリー類もチェックしたい。ラフ シモンズを象徴する“骸骨”のブレスレットは、ランウェイの明るいテーマに合わせてカラフルな色で展開。また今季の新作として、“吸血鬼の歯”をイメージしたブレスレットとネックレスも登場した。