ルメール(LEMAIRE)の2024年春夏コレクションが発表された。
ベトナムへの旅を着想源とした、今季のルメール。モンスーンの影響を強く受けた多雨な、あるいは熱帯性の気候を反映するかのようにして、展開されるウェアは軽快で抜け感のある佇まいと、機能的なアウトドアテイストを基軸としている。
旅先でのアクティブな活動に寄り添うだろう、機能的なウェアには、たとえばロング丈のレインコートやナイロン素材のベスト、リラクシングなシルエットに仕上げたモッズコートなどを上げることができるだろう。色味はあくまで落ち着いており、カジュアルなアイテムでありながらも上品な佇まいにまとめられている。
ベトナムの気候を快適に過ごすかのようにして、素材感は軽快だ。通気性に優れたコットンや、流麗にドレープを織りなすシルクを用い、温暖ななかでも快適な着心地を提供できるよう仕上げられている。また、テーラードジャケットにおいては、端正な表情を程よく保ちつつ、すっきりとしたショート丈でまとめるなど、アクティブなスタイルにマッチするようアレンジされているといえる。
快適さに潜む上品さだ。長めの丈感に設定されたコートやシャツ、ワンピースなどは、ドレープやアシンメトリックなカッティングを際立て、風に揺らめくかのような動的な表情を示している。また、軽やかなノーカラーコートやワンピースにはフラワープリントを散りばめ、意匠のうえでも華やかで流麗な印象を強めている。
カラーは、ネイビーやマスタード、ガーネットなど、彩り豊かでありながらも、経年変化を帯びたかのようなくすみのかかった表情に。東南アジアで使用されているケープや防水シートを彷彿とさせる、オークルやグリーン、トープ、カーキに加えて、アイスアプリコットやレモングレーズドといった南国を彷彿とさせるカラーなど、いずれもニュアンスに富んだ色調で用いた。