トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)の2015年リゾートコレクションコレクション。咲き乱れる花々のモチーフや、鮮やかなパレット、そして斬新なカッティングがひとつに集約されたコレクションは、とびきりアーティスティックでエレガントな装いを生み出した。
フラワーモチーフは、愛らしいパンジーのような小花から、ダイナミックな模様まで、コレクションピースの至るところに登場する。コートやドレス、スカートはもちろんのこと、グレーのジャケットにポイントで描かれていたり、ニーハイソックスやタイツに装飾であしらわれていたりと、ワードローブの隅々までも、その優雅さは表現されている。
潔ささえ感じさせる直線的なカットは、コレクションに堂々たるオーラを与えた。燕尾服のような光沢のあるモノトーンのジャケットは、フロントからバックにかけて直角にカッティングを。後姿はロングコートのようなデザインでありながら、フロントはボトムやソックスをアピールした貫禄のある一着だ。またフレームを強調させる太いパイピングは、フリンジのように裾がなびくロングスカート、後ろの丈を長くとったドレス、コートなどに用いられ、一着一着の存在感を際立させた。
コレクションには、マスキュリニティとフェミニニティが偏ることなく存在する。テーラードジャケットにハイウェストパンツを合わせたスマートな着こなしから、ドラマティックなボリューム感のフレアドレスなど、華やかさはそのままに様々な表情を演出。中でもセンタープレスのクロップド丈パンツにミニスカートをコーディネートした装いは、2つの要素を掛け合わせた着こなし。重ねても上品さを損なわず、活動的で個性あふれる女性の姿を思わせた。