バーバリー プローサム(Burberry Prorsum)の2015年春夏メンズコレクションが、ロンドンファッションウィーク期間中の2014年6月17日に発表された。会場となったのは、ロイヤル・パーク・オブ・ケンジントン・ガーデンズに設置された、太陽光の差し込む、開放感あふれるランウェイ。イギリスのシンガー、ベンジャミン・クレメンタインの太く力強い歌声に、繊細なピアノの旋律が響き渡る中で、ショーはスタートした。
今季のテーマは「BOOK COVERS AND BRUCE CHATWIN」。20世紀の半ばに活躍した紀行作家、ブルース・チャトウィンにヒントを得たというコレクションは、目までを覆うようなツバ広のハット、大きなサイズのサッチェルバッグがほとんどのルックに用いられていることからも分かるように、旅を意識したスタイルがベースとなっている。ジャケットもしくはフィールドコート、トレンチコート、ダッフルコートといった伝統的なアウターに、ゆるやかなテーパードのかかったスラックス、レザーシューズやスニーカーをコーディネート。
そんな伝統的なアイテムでつくる旅のスタイルには、2つの要素が加わることで、バリエーションや変化が生み出されている。そのひとつが素材で、例えばブランドの代名詞であるトレンチコートひとつをとってみても、ファーストルックに見られるヌバックレザーから、防水加工を施したリネンやコットン、セルヴィッジ・デニムまで多種多様に登場する。そしてもうひとつが、クリストファー・ベイリーの得意とするビビッドでカラフルなカラーリング。特にスニーカーはネオンカラーに彩られていて、クラシカルなアイテムの中で、とびきりスポーティーなポイントを作り出している。
多くのルックに見られる、ユニークなムードを持ったグラフィックにも目を向けたい。これこそ、テーマのもう一つ「BOOK COVERS」が意味するところだ。1940年代のブックカバーに用いられていた、タイポグラフィーやイラストレーションからインスパイアされたグラフィックは、手書き風で時代感があり、独特の味わい。ジャケット、バッグ、スカーフ、スニーカーなどのアイテムに新鮮さや存在感を持たせるのに、大きな役割を果たした。