アニエスベー オム(agnès b. homme)の2015年春夏コレクションが発表された。
シャンブレー素材のジャンプスーツにキャスケットをあわせた、ワーカースタイルで幕を開けたショー。序盤に登場したのは、ブランドのDNAでもあるワークウェア「Travaille」をテーマにしたアイテムの数々だ。ワークウェアをベースにしたアイテムやデニム素材、色あせたカラーリングなど、随所に見られる、労働者を彷彿とさせるエッセンス。しかしそこにリネンなどの軽やかな素材や、程よいフィットのシルエットを用いることで、土臭さを感じさせないシックなムードにまとめている。
またユニークなグラフィックの目立つアイテムは、70年代後半から80年代にかけてフランスのポスト・パンクシーンのアートワークを落とし込んだもので、フランスで開催された展覧会『DES JEUNES GENS MODERNES』の関連アイテムを用いているという。
中盤にさしかかると、"VOYAGE”をテーマにしたリラクシングなスタイルが現れる。ここでは、ベージュやオフホワイトのシューズやパンツ、ストローハットに、ジャケットを合わせるのが基本形。ナチュラルなカラーやゆとりのあるシルエットが涼しげな印象だ。そこから時間が経つにつれ、ビビッドなレッドのシャツ、チェッカーフラッグやレオパードのパンツなど徐々にエッジの効いたアイテムが増えていき、パンクで刺激的なスタイルに変化していった。
そして最後は、カンヌ映画祭のレッドカーペットを歩くセレブリティのイメージ。毎年、デザイナー・アニエスベーが訪れるというカンヌ映画祭。タキシードやブラックスーツの男性モデルと、つややかなドレスをまとった女性のカップルが5組登場し、華やかなムードに包まれる中ショーは幕を閉じた。