ミナ ペルホネン(minä perhonen)が、2015年春夏コレクションを発表した。今季、20周年を迎えるブランドが贈るコレクションは「出会ったような、前から持っていたような服」がテーマ。
記念すべきシーズンもデザイナーの皆川 明は、日常性に留まることができる服を提案し続ける。料理に例えるならば、高級なフレンチではなく、誰もが気軽に愉しめる定食のようなもの。日々の生活に 溶け込みながらも、こだわりのある素材、丁寧に仕上げられた刺繍など、一着一着から物づくりに対する姿勢が伝わってくる。
独自のストーリー性をもつテキスタイルが特徴のブランドだが、今季はより“日常”にフォーカス。男女兼用で楽しめるゆったりとしたシャツ、テーパードパンツなどプレーンなアイテムは、着る人の体系や印象に合わせて、表情を変えることができる。またふんわりと柔らかいコットンやリネンで作られた“ラボラトリー”というシリーズは、いつまでも触れていたくなるような優しい肌触り。日常で活用しやすい服だからこそ、そういった着心地へのこだわりを重視しているのだろう。
ドレッシーなワンピースも、シーズンテーマに沿い、ベーシックな中にもエレガントさが表現されている。シルクを混ぜたコットンで上品に仕上げながらも、ブランドの定番であるタンバリン柄の刺繍が、特別な日の装いに、肩肘はらない可愛らしさをプラス。綺麗にレースがティアードされたドレスは定番的な白と黒に加え、涼やかなミントカラーも展開。
蝶々をはじめ、鳥、魚などの動物モチーフは、コレクションにユーモアを。ワンポイントにあしらわれたり、スカートの全面に刺繍で描いたり、またプリントで表現したりと、いたるところに登場した。愛らしい鳥の形のバッグ、繊細な蝶々のブローチやネックレスなど、アクセサリーひとつひとつからも、日常の中でもきらりと光る存在感を漂わせていた。