2010年10月18日、アライサラ(araisara)が2011年S/Sコレクションを発表した。
これまで日本独自の伝統技術や素材に着目し、新しい視点を加えて伝統文化とファッションの繋がりをオリジナルに表現してきたアライサラの今期のテーマは「融合」。四回目のJFW出展となる今回、これまでのコレクションで生み出し、また蘇らせてきた全ての技術と、アライサラというブランドに関わってきた全ての人の力とを融合する事で、改めて本質を見直し新しい世界観を表現したいとの想いから設定されたものだという。
まず目に飛び込んで来たのが、様々な染めの技術を落とし込んだ色鮮やかなアイテム。「墨流し染め」「暈かし染め」「宮染め」など、過去のコレクションで登場した染めの職人技術を贅沢に組み合わせ、新しい色彩を提案。美しく優雅な印象に加え、軽やかで涼しげな雰囲気も同時に持ち合わせるドレスやワンピースが目を引いた。
また、今コレクションでは、ふわっとしたシルエットが印象的。「何かが生まれる前の形を丸に例え、円形パターンを追求し、新たな服のフォルムを構成した」とデザイナーの荒井沙羅氏は語る。トップスでは袖にスリットをいれることで、丸みを帯びたシルエットを追求。着る人の美しさを最大限に引き立てるため、細部にもこだわりが光る。
「一枚の布の中に多くの人々の技術がひとつに融合したのは奇跡」と荒井氏。その言葉に相応しく、日々技術を昇華させる職人たちの技術を見事にコラボレートした渾身のコレクションは、会場中を多いに魅了した。
また、コレクション終了後のインタビューでは、「流行を追うのでなく、1人の女性の人生を全てカバーできる様な、幅広い世代の女性が様々な着こなしをできる洋服作りをしていきたい。」「日本が誇る伝統技術を、自身のクリエイションを通して世界に伝えていきたい。」と語り、日本のデザインを世界へ発信していきたいという熱い思いを語った。