サポートサーフェス(support surface)の2025-26年秋冬ウィメンズコレクションが2025年3月14日(金)、東京・寺田倉庫にて発表された。
ブランド設立後、50回目のコレクションとなる今季のテーマは、結晶化を意味する「Crystalize(クリスタライズ)」。醜いものでさえ美しいと捉えられるファッションの世界において、デザイナーの研壁宣男は、"美しいものには無駄がないが、無駄がないものが美しいとは限らない”と謳う。
なぜなら美しいものは、初めから美しいのではなく、様々な試行錯誤を経て、無駄が削ぎ落されて生まれるからだ。コレクションを通して、一切の誤魔化しが通用しない、"結晶化された美”を体現していく。
美と真正面から向き合うにあたり、素材からこだわり抜いた研壁。モノづくりにおいて最も重要な試行錯誤の過程は、アウターやトップス、アームウォーマーにまで多用されていたエコファーから感じられる。エコファーを逆毛や波状毛にすることで、ヘリンボーン模様へとアレンジした。モデルたちの"フィッシュボーン”のヘアスタイルともリンクさせている。
また今季は、斜めにあしらわれたフリルや、ヴィンテージ感のあるベルベットなど、海外からのインポート素材を3割以上採用。また、立体的なケミカルレースはフェミニニティを、青の濃淡が美しいチェック柄はマニッシュをと、各ファブリックの印象によって、それぞれの美しさの在り方を操っている。
これら素材のベースとなるシルエットは、よく見ればシンプル。しかし、簡単に表現できるミニマリズムとは異なる、美の結晶を見てとることができる。たとえば、大胆なドルマンスリーブのウールコート。袖はあえて肘までにカットし、襟元のラペルは折り曲げず着物のように重ねることでクラシックなハイネックに仕立てた。白いトレンチコートは、ざっくり開いた襟ぐりと大き目のカラーによる絶妙な匙加減で、エレガンスが紡がれている。
ゆとりのある身幅へと変化させたテーラードジャケットは、堅苦しさがなくリラクシングで、美しさと機能を持たせている。一方、ウエストのくびれにしっかり沿わせたレディライクなサドルジャケットは、マニッシュなパンツスタイルにほんのり女性らしさをプラスし、相反する要素を持つスタイルを完成させた。