チカ キサダ(Chika Kisada)は2025-26年秋冬ウィメンズコレクションを東京・ガーデン新木場ファクトリーにて2025年3月21日(金)に発表した。
今シーズンは、ストイックなバレエスタイルをパンキッシュに着るチカ キサダの装いに、ポップさが加わっているのが印象的だ。モデルの手に抱えられていたのはファッションドール「バービー」のボックス。おもちゃのようなチャーミングさを落とし込むことで、アヴァンギャルドなムードを加速している。
ビーズを編み込んだカーディガンにレースのレオタードを重ねたルックや、スパンコールのロゴTシャツ、光を反射して輝くビーズ刺繍のシアーなスカート、パフィージャケットの裾から見えるメタリックなスカートなど、キラキラしたおもちゃのようにきらめくアクセントが、キャッチーさと少女の面影をプラス。チュールのハンドルを配したバッグを賑やかに彩るのは、色とりどりのチャームだ。
構築的なトレンチコートには、肩からひらひらとなびくようにピンクのチュールを飾り、ハイウエストのデニムパンツにはチュールのリボンをサイドにあしらった。動きのある装飾によって、ファンタジックな余韻を加えている。
体にフィットするバレエのユニフォームと対比させるように、遊びのあるボリュームが散見された。緩急のあるシルエットのビスチェを中に仕込むことで分量感を持たせたネイビーのチュールワンピースや、有機的なうねりを見せる立体的なスカート、厚みのあるファーを重ねたスカートなどが登場。また、ロング丈のモヘアニットは、パニエによってドーム状に膨らんだ形状に。丸くなだらかにカーブを描く、オブジェのようなフォルムに仕上げている。
アイコニックなチュールを使ったピースは、繊細な素材感を逆手にとったダイナミックな仕上がりが特に目を引く。チュールを重ね、フリルをあしらってて仕立てたワイドパンツは、大胆に広がり躍動するフォルムで存在感を見せた。
また、内側と外側を反転させるようなルックも見て取れた。チュールをたっぷりと使ったドレスはその柔らかな透け感によって内側のポケットや裏地を露わにし、オーバーサイズのレザーブルゾンには、その上から骨組みのみで構築されたブラを重ねた。また、カラフルなパッチワークのビスチェドレスには、あえてベージュのチュールをタイトにレイヤード。まるで中に着た衣服を“パッケージ化”したような佇まいを提示している。