アカネ ウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年3月24日(月)、東京・寺田倉庫にて発表された。
2025年秋冬でブランド創業15周年を迎えるアカネ ウツノミヤ。これまで展示会を中心にコレクション発表を行ってきたが、「節目の年にブランドの空気感を感じてもらいたい」との思いから、2010年秋冬のデビューシーズン以来初となるランウェイショーを開催した。
今季のテーマは「古典的な女性らしさをどの様に着崩すか」。レースやチュール、ファー、ドレス、ピンク、ランジェリーなど、女性らしいと思われる要素をふんだんに盛り込みながら、どこかアンバランスなスタイリングで遊び心をプラスしているのが特徴だ。
たとえばファーストルックに登場した黒のミディ丈ドレスに注目。下着風のレースディテールや大胆なサイドスリットでセンシュアルな雰囲気に仕上げつつ、顔よりひと回りもふた回りも大きいニット帽でカジュアルダウン。このほかにも、ハードなレザーブーツや太めのベルト、スポーティーなハイテクスニーカーで“ハズす”スタイリングが散見された。
アカネ ウツノミヤの代名詞と言える“肌見せアイテム”は今季もキーピースとして登場。ウエスト部分を丸くくり抜いたタンクトップやカーディガン、おへそが見えるようスリットを入れたニットトップなどが、ヘルシーな女性美を演出した。カジュアルな小物の引き算により、肌見せと言えどいやらしさは全く感じさせない。
カッティングを利用した遊びのあるレイヤードルックも披露された。たとえば肩の下辺りを三角形に切り取ったグレーのニットは、中に鮮やかなブルーのシャツを仕込むことで、質感・カラーともにコントラストの効いた重ね着スタイルに。グリーンのニットは、くり抜いた窓からカラフルなインナーを覗かせているのが新鮮だ。
アカネ ウツノミヤがデビュー当時より大切にしているニットウェア、その多彩な提案にも注目したい。肌を透かすほど薄手のカーディガンをはじめ、ケーブルニットのミニドレス、ボーダー柄のモヘアニットスカートなど、趣向の異なるニットピースが続々登場。中でも“ボタンが歪んだ”カーディガンは、今季のテーマである「遊びのあるズレ感」を体現したピースとしてひときわ存在感を放っていた。
コレクション製作を“色”からスタートさせるというデザイナーの蓮井茜。今季は、イギリス出身のアーティスト、トレイシー・エミンのペインティングから着想を得て、いつにも増してポップなカラーパレットに仕上げた。新緑を感じさせるグリーンに、青空のようなブルー、たんぽぽを思わせるイエロー。心躍るような鮮やかな色彩が、コレクション全体を溌剌と引き締めている。