マイケル・コース コレクション(Michael Kors Collection)は、2022年春夏コレクションをニューヨークにて発表した。ケンダル・ジェンナーやジジ・ハディッドらがモデルとして登場し、女優のアリアナ・デボーズが歌のパフォーマンスを披露した。
“URBAN ROMANCE”がテーマの今季は、多様な人々への愛、互いを思い合う愛、そしてロマンスなど“愛すること”のシンプルながらも力強い喜びに着目。また、デザイナーのマイケル・コースのニューヨークの街への愛情も同時に表現されており、ニューヨークという都市そのものや、ニューヨークに集う人々に捧げる称賛も込められている。ランウェイには、ニューヨークを拠点とする慈善団体「God’s Love We Deliver」に敬意を表しシンボルマークをフィーチャーしたカシミアセーターも登場した。
コレクション全体を通して、エネルギーに溢れた快活さと洗練された優雅さが感じられる。象徴的なのは、ブラトップとスカートのスタイリングやノースリーブドレス、オフショルダー、カットアウト、スリットのディテールなど、肌を見せるようなデザインのルック。生き生きとしたムードを携えたフレッシュさと、研ぎ澄まされた上品さを兼ね備えたルックが展開されている。
胸元がざっくりと開いたミニドレスや、ナチュラルなベージュの総レースで仕上げたブラトップとタイトスカート、スカラップレースのスリップドレスなどは、センシュアルなディテールを備えていながらも、シンプルなデザインで仕上げることでヘルシーな印象に。ダブルのテーラードジャケットには、立体的な襟によって、首周りが大胆に開いたドレスライクな仕立てを採用した。また、ギンガムチェックやフラワープリントのドレスは、プレイフルなムードを漂わせている。
加えて、全身を単色で統一したスタイリングも今季の特徴だ。アイボリーのトレンチコートに色を揃えたコーディネートやコンパクトなテーラードジャケットとひざ下丈のパンツを合わせたオールホワイト、もしくはオールブラックのセットアップなど、色を統一しミニマルに構築したルックが散見された。
ショーの序盤はモノトーンがメインのルックが続いたものの、徐々に淡いピンクのコートやニット、ベージュのセットアップ、爽やかなライトブルーのトレンチコートなどが差し込まれ、暖かな春夏の日差しになじむ明るい色彩が登場。モヘアニットや透明感のある華やかなレースといった、柔らかな素材使いも相まって軽快な雰囲気をまとっている。
フォーマルなドレスルックもカジュアルなピースと同様に、シンプルなデザインを採用している。シャイニーなワンカラーのドレスは、ベルトでウエストマークすることで凛とした佇まいに。また、タイトなオールブラックのイブニングドレスや、シルバーのアクセントを効かせたホワイトのジャケットスタイルなど、きりっとした表情のドレススタイルを提示した。