ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)が、2014年9月27日(土)に2015年春夏コレクションをパリで発表した。1976年に発表をスタートしたメゾンのプレタポルテが、今季を持って終了することが決定。本コレクションは、ブランドにとって最後のレディトゥウェアのショーとなる。
会場には、パリ最大の座席数を誇る劇場のル・グラン・レックスだ。アーチのように赤くライトアップされた舞台は、怪しげなオーラを漂わせる。この日、ゴルチエ最後のプレタポルテショーを見るため、多くの人が集まりにぎわった。
カラフルなスポットライトとともに暗幕が上がると、そこには階段があり、とびきりボリューミーなヘアスタイルでボディコンシャスな服に身を包んだモデルたちが登場する。ボーダーのレオタードや、アシンメトリーなドレスに身を包んだ彼女たちは、揃ってダンスを披露。ピッタリ揃って踊る姿がなんともセクシーで、会場を沸かせた。
そこからエンターテイメトなショーがスタートし、司会者によって様々な部門が紹介されながらコレクションピースが披露される。船乗り(MARINIERE)をイメージしたスタイルの次は、ゴルチエと親交の深いスペインの女優ロッシ・デ・パルマ(Rossy de Palma)にオマージュを捧げる装い。マスキュリンなストライプのテーラードジャケットにショートパンツを合わせ、頭にはエレガントで大きなハットを身に着けたモデルが最初に姿を現す。スーツはレースアップされていてボンデージな香りがどことなく漂う。その後もテーラードの一部を用いたアシンメトリーなモノトーンの服が続き、最後にはなんとロッシ・デ・パルマ本人も混ざって登場。興奮した様子の彼女は、思わず服を脱いでしまい、オールインワンのビスチェ姿に。下着姿でノリノリになって歩く様子に、さらなる歓声があがる。
しかし、まだまだショーは序盤にすぎなく、それから自転車が舞台を走り出し、カラフルでスポーティなピースで舞台を彩る。ブランドのロゴプリントを様々に組み合わせたドレスやトップス、オフショルダーのドレスにスパッツを合わせた着こなしなど「フランス一周(Tour de France)」と名付けられたアクティブなスタイルが、ヴィヴィッドなカラーで登場する。
その他、フットボールにインスパイアされ、サッカーボールのディテールをあしらった服、覆面に原色のドレスを合わせたファイターのような装いなど、目まぐるしくショーは展開していく。また各ファッション誌の編集長やエディターたちを思わせるスタイルはユニークなサプライズで、白シャツにブラックのワイドパンツを合わせたグレース・コディントン(Grace Coddington)、煌めくブラックのフレアスカートをはいたフランカ・ソッツァーニ(Franca Sozzani)、さらにはグリーンのフーディドレスに身を包んだスージー・メンケス(Suzy Menkes)をなど、本人さながらのルックも登場した。
そして最後は、コンテストの優勝者を決めるためすべてのモデルたちが集結。ボブヘアにベアトップドレスをまとったココ・ロシャ(Coco Rocha)が、「ミス・ジャンポール・ゴルチエ」に選ばれた。嬉しさのあまり、床にひっくり返るキュートな彼女。そこにゴルチエも姿を現すと、金銀の紙ふぶきが勢いよく噴射しフィナーレを飾った。