ロク(ROKH)の2025-26年秋冬コレクションを紹介。
「断片化された動き(Fractured Motion)」をテーマに、ロクの特徴でもある脱構築的なシルエットに加え、彫刻的なフォルムと動きの融合を表現している今季。陶磁器の形からインスパイアされており、計算された形状と偶発的な美しさのバランスを探求している。
例えば、精巧に仕立てたトレンチコートには、首元から裾に掛けてドレープをまとわせ、フォーマルな印象に優美な動きをプラス。また、タイトなワンピースの裾から緩やかにつながっているケープなど、かっちりとしたフォルムに変化を与えるドレープ使いが散見された。彫刻のボディピースをトレンチコートやスカートと組み合わせたルックからも、視覚的にテーマを読み取ることができる。
そして、ロクの脱構築的な要素は素材にも表れている。硬い素材で対極的な柔らかい印象の花を作成し、取り付けたワンピースや、トレンチコートに用いられるデッドストックのコットン生地でフリルを重ねたルックなどが登場。加工や縫製によって素材の可能性を押し広げている。
シューズでは、彫刻が生み出すクラシックな魅力と現代的な利便性を体現。たとえば通気性のあるメッシュ素材のミュールには、彫刻的なソールを組み合わせることで、機能性と芸術性を兼ね備えた1足に仕上げている。