アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2025-26年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。
今季イメージしたのは、北欧にルーツを持ちながらも、都会のダイナミックなエネルギーの中を生きる女性。自身も北欧で生まれ育ち、自然と都市の深いつながりに魅了されてきたというクリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンが、"2つの異なる世界のコントラスト”をテーマにコレクション制作を行った。
まず注目したいのは、北欧の自然豊かな田舎を想起させる、レトロなスカンジナビアンセーター。今季は、ノスタルジックなセーターを、セクシーなボディスーツやミニドレス、ストールを巻いたようなトップスに変身させているのがユニークだ。足元にはポインテッドトゥのヒールを合わせ、都会的な装いへと昇華している。
より全体へ視野を広げてみると、“テディベア”的なルックが鍵を握っていることに気づく。たとえばロングコートやタートルニットは、テディベアのフォルムからヒントを得たような、柔らかく丸みを帯びたショルダー&スリーブにアレンジ。ふわふわとしたシアリングやモヘアのボリューム感も相まって、着ぐるみのような様相を呈している。
また、小さなテディベアのシルエットをドットのように並べたワンピースやバッグ、愛らしいクマを大胆にのせたシアードレスも登場。ブランドの代名詞であるデニムは、フロック加工により、長年愛用されたテディベアのような柔らかさと風合いを再現しているのも面白い。
1970年代のファッションにインスピレーションを得たルックも今季ならではだ。胸元をざっくり開いたジャンプスーツやホルターネックドレス、ハート型のベルト、ニーハイブーツなどは、当時のディスコスタイルを彷彿とさせる。コレクション全体のカラーパレットも70年代を意識しており、ブラウン系の暖色を基調としつつも、ボルドーレッドやパープル、ゴールドといったグラマラスな色彩でアクセントを差し込んでいた。
コレクションに彩りを添えるバッグにも注目したい。今季は、ヴィンテージのカメラバッグから着想を得たアイコンバッグ「カメロ(Camero)」が、ラージサイズの新作「カメロ ホテル(Camero Hotel)」となって登場。レッドやライトベージュのスエードで展開される。また、人気「マルチポケット(Multipocket)」シリーズには新たにバケットバッグが追加に。フォーチューンクッキーのような個性的なフォルムが特徴のハンドバッグ「Bowlina」は、シアリングやフェイクオーストリッチでアップデートされた。