ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)が、2015年春夏コレクションをパリで発表した。
リカルド・ティッシは今回、ジバンシィに就任して間もない初期のクリエーションを振り返り、改めてセンシュアルでパワフルな女性像を思い描く。そこにチロリアンスタイルやロックな雰囲気など、70年代の異なる要素を与えているのが今季の特徴だ。
コレクションのキーワードは、コントラスト。チロリアンとロックという組み合わせはもちろん、ティッシらしい白と黒の色使いや、マスキュリンとフェミニンの融合など、至るところに対照的なデザインは取り入れられた。
凄味となるのは、繊細な素材にタフなディテールをぶつけていること。レースのドレスには、スカートのプリーツにレザーをあしらったり、アイレット(鳩目)をアクセントに用いたり。またハードなレザーを細やかなレースアップでつなぎわせたものも多く、燕尾コートやショートジャケットなどが展開。編み上げはアウター以外にもドレス、コルセットのようなトップスなどに見られ、全体的にエネルギッシュなムードをまといながら、フェティッシュな香りを漂わせた。また民族的な要素は、クロッシュニットをさり気なく取り入れることで、あからさまでなく装いに溶け込んでいる。
ワードローブはロマンティックなドレスか、セクシーなレギンスルックが中心。ほとんどがミニ丈フレアスカートのドレスは、ボディスーツとセットで着こなしたブラックのものや、プリーツにフリルを合わせてフェミニンに仕上げたものなどが揃う。またこれまではドレッシーなスタイリングを提案することが多かったが、今季はクロスモチーフがポイントになったTシャツとコーディネートするなど、甘さをカジュアルダウンさせた新しいスタイルも。
タイトフィットなパンツは、思い切りハイウェストでレッグラインを強調。そこに柔らかなシフォンのトップスを合わせたり、パンチの効いたレザージャケットなどを選んだりと、毎日異なる表情で魅力を振りまく、ジバンシィ・ウーマンのワードローブは見る者を飽きさせない。また今季の足元選ばれた、ニーハイブーツは先シーズンに引き続き、スクリューモチーフの細いヒールを採用し、抑圧的かつエッジィなアクセントを効かせていた。