ウィザード(wizzard)の2015年春夏コレクション。
今シーズンは、「No Wave Conspiracy」をテーマに展開された。“No Wave”とは、1970年代から80年代にニューヨークで発祥したミュージックアート、メディアアート、コンテンポラリーアートなど、アート的スタンスから影響を受けたパンクロックサブカルチャーのこと。今季は、当時商業主義から対抗すべく出現した“ノイズ ミュージック”と、実験的、前衛的であり独自のスタイルを確立していったスタンスへのオマージュコレクションとなる。
本コレクションの特徴の1つは、シルエットのバランスだ。トップスは、全体的にリラックスしたサイズ感やロング丈を中心に展開。ボトムは、タイトなモーターサイクルパンツや、サルエルのリブパンツなどがみられ、上下でシルエットのコントラストを楽しめる装いを提案した。
また、レイヤードを意識したスタイルにも注目したい。例えば、Tシャツやロングパーカーに重ねられたメッシュボーダーのロングタンクトップは、裾をちらりとみせることで、シンプルなコーディネートにアクセントを与えている。
ファブリックは、涼し気な素材が中心だ。オーガニックコットンのレイヤードカットソーや、メッシュボーダーを使用したロングタンクトップなど、夏にさらりと着れそうなアイテムが登場。さらにアウター類は、やわらかいタッチのジャカード裏毛を使用したドルマンパーカーブルゾンや、ソフトな風合いのリヨセルやコットン素材のコートなど、日常着としてストレスのない素材使いにこだわった。