2010年10月19日、バナルシックビザール(banal chic bizarre)がroomsLINKにて2011S/Sコレクションを発表した。
ランウェイのテーマは「"TEAMER"-現代にチーマーがいたら?」。80年代に出没したファッションへの意識が高いチーマーのように、現代の若者も仲間同士で集まり、情報を交換し、服を見せびらかす場所を作ってほしい、とのメッセージを込め設定したものだという。
今回のコレクションでは、主にユーズドのミリタリーウェアやデニムを解体したものを使用。シルエットは、極端にワイドなものや極端にタイトなものでメリハリをつけ、フリンジ、蛍光色、ポケットギミック、ミリタリー、プラスチックバックルをメインディテールとした。また、バナルシックビザールの春夏の作品はカラフルな印象が強いが、今期では、カーキやベージュ、黒を基調とし、蛍光色や赤をアクセントとした。
そして、本コレクションにおいて特に印象的だったのが、「行き過ぎている」と感じてしまうほどにあしらわれたトップスのポケットの数。胸、背中、腕に無数のポケットを装飾することにより、全く新しいシルエットを生み出した。
ショー終了後の会見で、「今回のモデルは全て素人。お客さんからではなく、全て僕の知り合いから集めたのですが、バックステージではまるでチーマーのように、同じテーブルを囲み談笑していました。ランウェイの裏側でもテーマを実現できたのは、とても良かった。」と、笑顔で語ったデザイナーの中川瞬氏。原宿をベースとしてマルチにバナルシックビザール独自のスタイルを築き上げてきた同氏の熱い思いがこもったショーだった。