エイ・クライプシス((A)crypsis)の2022年春夏コレクションが、2021年9月2日(木)に発表された。
エイ・クライプシスは、クリエイティブディレクターのイー・ファン・チャンが、2015年にスタートしたメンズウェアレーベル。抽象・対立・プライド・狂気など、さまざまな概念を落とし込んだメンズウェアを展開している。
今シーズンは、レディースラインであるセイヴソン(Seivson)と共に、東京ファッションウィークに初参加し、デジタルショーを展開。停滞を余儀なくされた社会と、その先にある希望をイメージし、雨が降る東京の街を舞台にしたムービーを公開した。
コレクション全体は、イー・ファン・チャンが現在の社会に抱いている感情とも連動しているのだろうか、どこか陰りをおびた雰囲気をはらんでいる。カラーパレットはブラックやカーキ、グレーなど、春夏シーズンでありながらダークトーンが主流だ。
暗雲が立ち込めたるムードの中に、秘めたる衝動を感じさせるのが、躍動感のあるディテール。ニットベストにあしらったフリンジや、ハーフパンツのサイドに施したレースアップのロープが、ルックの輪郭にリズムをもたらしている。ミリタリージャケットは、ファスナーの開閉によりショルダー部分のシルエットを変えることができ、動きのあるフォルムを作り出すことが可能だ。
様々なエレメントをミックス&マッチし、独自の世界観を築き上げるブランドの世界観は健在だが、今季は特にミリタリーとエキゾチックの融合が際立つ。東洋の衣服を連想させる前合わせのアウターには、ミリタリーアウターのインナーを思わせるボア素材を使用。また、フライトジャケットにフリンジベストを差し込むなど、スタイリングでも2つの要素の掛け合わせを楽しんでいた。