パリ・ファッション・ウィークで発表されたギャスパーユルケヴッチ(Gaspard Yurkievich)の2011年春夏コレクション。今期のコレクションは、フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーが、日の出を待ちながら愛しい恋人への想いを綴った詩からのインスピレーション。ユゴーを生涯支え続けたジュリエットを、都会的なヒロインとして現代に甦らせたかのようなモデル達が、紙吹雪が散りばめられたキャットウォークに現れた。
ケミカルウォッシュデニムのアイテムや、シャープな肩のラインがポイントのテーラードジャケットが都会的な雰囲気を醸し出している。黒やベージュ、グレイのシックなカラーパレットに、美しいシルエットが合わさって、大人のエレガンスを生み出した。
柔らかなドレープや、シルクブラウスの胸元に施された儚い花の刺繍、黒いレースから透ける肌がセクシーなフェミニティーを表現。マントのようなスカーフやスカートが颯爽と翻り、その凛とした後姿が女性の秘められた強さを物語る。幻のように終わる夜をイメージした星空のプリントや、きらりと光る刺繍やブローチが、ユゴーの作品の永遠のテーマでもある昼と夜、光と影のコントラストを思い起こさせた。