2014年11月21日(金)、リミフゥ(LIMI feu)の2015年春夏コレクションが発表された。ショー会場となったのは恵比寿ガーデンルーム。観客席には、デザイナー山本里美の父・山本耀司も姿を見せた。
アコースティックギターの音色が告げた、ショーの始まり。奥から現れたのは、ブラックのハットに細身のサルエルパンツ、ホワイトのブラウスをまとったモデル。ブラックとホワイト、今季のコレクション彩るのは、このリミ フゥのアイコンとも言えるカラーだ。
テーマとなったのは「Hint of Sexuality」。胸元や背中が大きく開いたブラックドレスには、フラットなブーツを合わせ、マニッシュなブラックのセットアップには、オーガンザ素材で部分的に透け感を与える。禁欲的なイメージと退廃的なセクシーさ、その矛盾こそが、コレクションの美しさを形作っている。全体的には、タイトなセットアップやボリューミーなドレス、ドルマンスリーブのトップスなど、定番のディテールやシルエットが隅々に散りばめられたほか、通常ゴアのある部分がカットされたショートブーツなど、ユニークなアイデアも光る。
そうして打ち出されるアイデンティティの中で、コレクションに溶け込みつつも、異質感を与えていたのがボンデージのエッセンスだ。スタッズが打ち込まれたストラップシューズなど、はじめは控えめに取り入れられ、ショーが進むにつれ徐々にあらわになっていく。コルセットや深くスリットの入ったスカート、直線的に生地が切り取られたパンツ……。そんなアイテムの数々は、メンズライクな要素を抱えるコレクションに、フェミニニティや挑戦的な魅力を吹き込んだ。