ミラノメンズコレクションで発表されたジュリアーノ フジワラ(giuliano Fujiwara)の2011年春夏コレクション。デザイナーのマツムラ マサタカはブランドのアイコン的なエレメンツを再解釈し、さらに現代的なアプローチで進化させた。それは日本の深く静かな精神を、西洋のテーラリングという技術により表現したコレクション。
今シーズンのテーマは「Protection & Motion」。「静と動」をキーコンセプトにし、グラフィックとマテリアル、そしてプロポーションにより際立たせたコントラストで表現。
肩や胸元が強調されたジオメトリックなカッティング、巧みなラインは、直線的なシルエットに躍動感を加えている。テクニカルなパターンにより生まれるレイヤード部分は、色彩や素材のコントラストによって強調され、強いインパクトを放つ。
カラーパレットは、白、黒、グレーのグラデーションに対比させたダスティオレンジ、ベージュ、ダスティブルー。そのなかで目を引く鮮やかなプリントは、ハイスピードで走る都市の夜景をイメージ。これらはコレクション全体に織り交ざり、時にテクニカルなディティールから見え隠れしている。
今回、重要なアイテムとなるコートとジャケット。レザーのマイクロジャケットや9分袖のコート、さらにセパレートでも着られる立体的なレイヤードジャケットやコートなど、様々なプロポーションやスタイルで展開。
マテリアルは直線的でジオメトリックなコレクションに同調しつつ、柔らかく軽くコンフォータブル。ドライウールやコットン、リネンなどの従来のファブリックに、ネオプレーンやナイロンなどのテクニカルな素材をミックス。
そしてコレクションを完成させるのはフューチャリスティックなシューズたち。シーズンカラーを取り入れたレザーとネオプレーンで包まれた紐なしのスニーカー。ジオメトリックにカットされたレザーパネルからなるサンダル。一方でクラシックなモデルは、コントラストなカラーリングによりモダナイズされている。